畳の基礎知識:畳の機能性

片岡屋畳店

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畳の基礎知識:畳の機能性

畳の優れた機能性
●畳は日本の文化
畳の上に座ることは、古くから日本文化に溶け込んだ生活様式です。

●湿度を調節する機能
畳は湿気を吸収したり、排出して室内の湿度を調節する機能があります。四季の変化に富み、特に高温・多湿の夏のある日本の気候風土に最も適した敷物であると言われています。畳表のイ草は空気をたくさん含んでいるので、夏場には爽やかな感触があり、冬場にはちょっと冷たく感じられますが、時間が経つと適度な暖かさに感じられます。

●ヘルシーな敷物
ちょっと疲れた時などに、畳の上でごろ寝をすると寛げることは誰でも経験したことだと思います。また、畳の色は心に安らぎを与えます。

●畳は室内の空気をきれいにします
畳には、大気汚染の元凶であり、人間の健康に悪い影響を与える二酸化窒素を吸着し、一酸化窒素に還元して室内の空気を浄化する機能があります。

●優れたクッション性と断熱性
ワラ床には強い弾力性とともに適度のクッション性、優れた耐久性と吸音・遮音効果、断熱性があります。

●優れた難燃性
ワラ畳床は圧縮して作られているため、燃えにくく、燃えても有毒ガスを発生させません。

●気持ちを和らげてくれます
畳表のイ草にはアロマテラピー効果のある香りがあります。

畳の特性
ここでは畳の基本的な性能と試験結果による具体的な評価をご紹介します。

1. 曲げ強さ 
畳は、構成材料・畳床の厚さによって曲げ強さが変わります。硬さや剛性・弾力性など、畳に要求される基本的な性能として捉えられます。要するに畳の丈夫さを意味します。

2. 硬さ 
畳には、ある程度の弾力性と柔軟性のある硬さが必要です。例えば、畳の上で転んでも衝撃を吸収する柔軟性があります。

3. 圧縮強さ
畳には、長期間にわたる耐久性が必要です。厚さ40cmにも重ねたワラを5cmにまで圧縮することによって生じる復元力が、ワラ畳床の弾力と耐久性を生じます。

4. 吸放湿性 
稲ワラや、イ草(畳表)は天然資材です。素材の特性から僅かながら湿気を吸収し、また放湿する性質があります。しかし吸湿する速度に比べ放湿する速度は遅く、蓄湿する傾向があります。従って、放湿効果を上げるためにはこまめに換気する必要があります。

畳には優れた湿度調節機能があります。畳や木材は、大気中の水分を吸収したり放出したりしています。例えば梅雨時期には水分を吸収し、冬の乾燥期には水分を放出することで湿度調節をし、室内を快適にしてくれます。

畳を温度23℃で湿度の変化を53%から75%にステップ的に加湿し、24時間継続した後、再び53%にステップ的に戻して24時間継続するという吸放湿性試験によると、稲ワラ畳の場合、24時間後の吸湿量は94.7g/uでした。これは室内の湿度調節を目的とした内装材(調湿建材)の同一条件での吸湿量が一般的に80〜100g/uであるので、調湿建材と同程度の吸湿量があるといえます。この優れた湿度調整機能は、畳を構成しているイ草やワラの内部構造に起因しています。イ草はきれいな六角形の形をしたハニカム構造をしています。また、ワラも中空の組織構造をしており、畳を構成している材料は表面積が大きいため、水分を吸収・吸着する能力が高くなるのです。

5. 断熱保温性
稲ワラには熱を伝えにくい特徴があります。稲ワラの空洞がその高い断熱性の秘密です。また、一度温かい状態になると熱を逃がさない保温の役目をします。

畳は床仕上げ材として使用したときの実際の保温性に優れています。実際に床材として用いる場合、畳やカーペットは根太(床板を支えるため床の下に渡す横木)やフローリングなど他の床材と組み合わせて用いており、その組み合わせ(畳+ベニヤ板等)で比較すると、畳がカーペットに比べて圧倒的に厚いことから、畳とベニヤ板の組み合わせはもっとも透過熱量が小さいのです。

6. 寸法安定性 
畳は、敷きこんだ後に若干の寸法変化が起こることがあります。それは畳床の膨張や収縮によって起こることが考えられますが、極端な吸放湿が無い限り、隙間が空いたり畳が持ち上がったりすることはありません。

7. 床衝撃音遮断性
稲わらのたくさんの空洞に含まれる空気が、吸音効果を持ちます。また、一般的に遮音性は重量に比例するといわれますが、稲ワラ畳床の重量感がここでは長所になります。

8. ガスの吸着について
畳表の吸着について、空気中のアセトアルデヒドの吸着力を測る実験では、初期濃度役14ppmが2時間で4割減少しており、イ草は他の有機資材と比較して高い吸着性を持っていることがわかっています。また、アセトアルデヒドと、シックハウスの原因となっているホルムアルデヒドとは性質が似ており、ホルムアルデヒドについても同じ効果があるものと考えられています。二酸化窒素についても畳表が60分で部屋の濃度を10分の1に減らすということが示されています。

9. ダニの寄生について
「畳はダニが発生しやすい」というのは誤解です。ダニの寄生の主原因は、多湿・高温・換気が悪いことです。稲ワラは湿気を吸排出するので湿度調節機能があるのですが、最近の住宅は機密性が高く、また、部屋を閉め切ってしまうために高温多湿になってしまい、このためにダニが寄生しやすくなるのです。ダニは温度と湿度とたんぱく質により繁殖します。従って適切な換気を行えばダニはある程度防げるのです。また、掃除機をかければダニはとれます。毎日2〜3回ずつ掃除をすると、3週間後にどのくらいダニが減るのかを調べた調査によると、板の間に近い水準まで減少します。こまめなお掃除と換気が、ダニに関する問題を解決します。

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